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震災半年、陸前高田へ(2/3)

土曜日。10時前くらいから作業開始なので、5時起きしてさらに海沿いの状況を視察に出かけた。いつも畑作業で早起きなので、長距離運転の翌朝でも早起きは苦にならない。

鈴木旅館の入り口。玄関左手にはテントがあり、まだボランティア用と思われる長靴やヘルメットが多数置かれている。

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津波のときは、ここの玄関あたりまで水がきたらしい。海岸から8キロくらいは内陸、それでも水が来たのだ。

海寄りの高田の中心部に向かう途中、あの有名な「復興の湯」を左手に見る。半年が経過して補助金は打ち切り。ちょうどこの週末に解体になるらしい。

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海沿いに近づくと、山の裾野づたいに赤く枯れた針葉樹の帯が見える。明らかに、塩水による枯死だ。津波の痕跡が、山肌にも刻まれている。

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中心部に入る。地元のメジャー・スーパー、MAIYA。ひどい壊れ方だ。目の前で見ると本当に膝が震える。

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早朝で他の物音はなく、風に吹かれて時折天井から下がった無数のワイヤーや電線が乾いた音をたてる。なんということだ・・・。言葉がない。

その対面にある建物。裏手に大きなタンクが転がっている。

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こんな現実の中でも、秋の空は美しい。空は人間界の感情には無関心だ。

ほとんどの建物は基礎だけが残されて、あとは全部流れてしまっている。この鉄筋のちぎれ方は、尋常ではない。あの頑強なものが、こんな状態になっている。信じられない。

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交番。玄関の上についている桜の紋章が、半分に割れている。中には花が添えられており、交番のメンバーと思われる集合写真がかけられている。

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亡くなった仲間を偲んで、訪れる人があるのだろう。思わず手を合わせて祈った。涙をおさえられない。

交番の中からの景色。こういう場面に適した語彙が頭の中にないのだが、あえていえば戦場だ。静寂の中、しばらく呆然と立っていた。

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消防署も壊滅。よじれたシャッターが津波の恐ろしさを語る。

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だが、これが陸前高田の全景ではない。壊滅した海沿いの中心部から山のほうを見ると、ある部分から上は家が残っているのが見える。生命を分けた線は、あのあたりか・・・。

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壊滅した部分だけが被災地ではない。壊れたものもあるし、残ったものもある。亡くなった方もあれば、生きて地獄を見ている人もいる。

徐々に日常を取り戻しつつある人もいるし、それほど影響を受けなかった人もいる。被災の現実は、様々な「個々の状態」の集合であり、平均的に語るのは適切ではない。

津波の影響を受けなかった山手のほうに入ってみる。道沿いに、菜園やリンゴ畑が並んでいる。平和な風景が広がっている。

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企業も被災地支援に入っている。ふと出くわしたこれは、仮設の集中浄化槽。

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視察を終えて、まだ8時台。震災で壊滅して再興されたローソンで、朝食を買って旅館に帰る。ついでに岩手日報と河北新報を買った。

震災半年ということで、被災者アンケートの結果レポートなど色々な特集記事がある。要するに、まだ非常に困っている人が多く、今後がさらに不安ということ。

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10時頃に、僕が4月からずっと応援しているチームの拠点へ集合。今日は、仮設住宅への物資の提供。僕が送った物資も倉庫にあり、「ああ、ここにあったか」という妙な感慨。

ワゴン車3台に荷物を満載して出発。この段階ですでに大汗・・・。

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車の中は、本当に満杯。後ろも見えない。

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仮設住宅群を、午後にかけて2箇所訪問。それぞれの場所でシートを広げて荷物の箱を全部並べ、居住者の方々のニーズに応じてピックアップしていただく。

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一つ一つに、物資を提供して下さった人の思いが込められている。また、受け取る方々にも様々な心情がある。すべてにわたって、真摯に対応しなければならない。

これから秋~冬にかけて、どういうニーズがあるかについても立ち話で伺うことができた。また、その他にも今後の支援活動のヒントになる情報がたくさん得られた。

チームメンバーで、遅めの昼食。山をかなりあがったところにあるレストランへ。食事どころは少ないせいか、ここは大繁盛していた。実際、美味しかったしボリュームも肉体労働向け。

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この後、拠点にもどって物資の棚卸、再整理。とくに衣類は、しっかりと分類しておかないと受け取り手が欲しいものを探しにくい。皆で夕方まで作業。

夜は仲間5人で隣町の大船渡まで行き、偶然
見つけた和食の店へ。日暮れで十分に目視できなかったが、大船渡の被災状況もおぼろげながら分かった。

明日の早朝、ひとりで視察に来ようと心に決めた。

寝る前、なんとなく仲間が玄関の広間に出てきて、しばらく飲みながら話した。大阪から来た3人。今回初めて会うのに、もう他人ではない。

団体のコアメンバーであるNさんが参加、その後、リーダーであるTさんが東京から到着。新しい出会いがあり、人との縁が広がるというのはいいものだ。

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