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Making of “詩と絵で綴る 陸前高田 ~ 大震災を乗り越えて ~”

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Emi & Yumi Yoshida

2012年7月

プロジェクトは密かに始まった。岩手県 陸前高田市のある仮設教室にて、Komo’s英語音読会の隙間時間の間に。

Komo : ねぇ、この詩、短歌と吉田姉妹の絵を合わせたら、本にできると思わない?

Hiroko :  (また次々と..と思いつつ)Nice idea。まだ写真しか見てないけれど、いい絵ですね。ともかくは二人の絵を見に行ってみますわ。 並行して出版社、印刷会社探し、見積もり、資金繰りなどの検討を始める。ブツブツ思っても結局Komoに巻き込まれる。
肝心の吉田姉妹が乗り気になってくれるか、全く目論見なし。
高田の母、Oさんから口をきいてもらう。

そして、電話。

 

最初の電話 with 吉田姉妹

Hiroko : いい画集ができると思うし、ゆっくりでいいのでやってみませんか?

Emi&Yumi : そんなにいい絵が描けるかどうか。。。じゃあ音読会で翻訳して使った詩に合わせて、下絵を描いてみるね。それで判断してくれていいから。

Hiroko : なにか必要な画材あります?

Emi&Yumi : ううん、いいのー。あるから。あ、でも場所がねー。

Hiroko : ???

Emi&Yumi : 油絵だと、場所がね、いるの。乾くまで時間かかるから。それにね、絵の具をね(以下、知識量が多くオーバフローのため略、油絵が好きなのだ、仮設では油絵を描くのにスペースが足りないので思案しておられるのだとは理解)

 

2012年8月

8月15日、お盆に被災地ツアーの途中で吉田姉妹の仮設に立ち寄り。

初めて本物の絵を見る。素晴らしい。こんな手が届く距離に、言葉が見つからないほど素晴らしい絵もあるなんて幸せだと思う。ちなみに私の一番のお気に入りはこれ。

 

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 恋路が浜, Emi Yoshida

津波で流されてその後発見されて戻ってきた絵、そして新しい絵の下絵を見て、これはいける、と確信。いつになるかはわからないけれど、出す価値はある作品と思う。まぁ、でも、芸術肌の二人のモチベーション次第。私は芸術は鑑賞専門なので、ゲージュツ家との接し方はいつも新鮮な驚きに満ちている。。
驚きの一つは、あの力強く完成された素晴らしい絵と、小学生のような純粋無垢な気持ちがどう共存するのだろうということ。その答えにたどり着くまでにこの後4か月かかった。

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 高田松原Ⅰ(下絵), Emi Yoshida

ちょうど一緒に陸前高田にきてくれた、Mさん、Oさんと、吉田姉妹交えて、好きな絵、詩と短歌をマッチングさせて、ページ割を、カレンダーの裏紙にみんなで書く。まだみんなの心の中でのドラフト程度だが、実現にむけて、半歩。

 

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復興支援のLight up Nipponをみんなでバーベキューしながら見た。この夏で初めて且つ結局最後の花火。胸打たれる光景。

 

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2012年9月

絵は進捗しているかしていないかよくわからない。。Emiがやややる気が落ちているのを感じるが、何をしていいかわからない。子供が生まれる時のお父さんもこんな感じなのだろうか。待つ。

 

2012年10月

なんと!いつの間にか、松原の絵が形になっていた。「本当にこんな感じで、松林の中、こぼれる陽の中を散歩したの」と明るい声。それ以上、悲しいとも、辛いとも、言わない。気仙の人は、本当に忍耐強い。
なんと、うつくしく、温かい絵か。私たちに見せるためにまずこのテーマを選んでくれたのね、Emiさん。

この頃には私は二人を完全に見分けられるようになっていた。二つの個性、二人のひと、よく似た外見だが独立した個人。

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高田松原Ⅰ, Emi Yoshida

2012年11月

この調子なら、と思い、ページ割を再度相談。好きな絵、詩と短歌をマッチングさせる作業にも真剣みが増す。あと未確定なのは「白い雪の天使」の詩、それに合わせる絵。下書きを持ってきてくれた。少女のこころ。こういうところが好きだ、と思う。コミュニティーアートスクールが復活したそうで、参加が楽しみと電話口で明るい声。

 

2012年12月

1月の撮影日程を確定。ふたりは先月から、コミュニティーアートスクールに通っている。大作「高田松原Ⅱ」(Emi)、「長崎」(Yumi)を本に間に合わせる気でいてくれる。長崎の夜景はYumiが何年も描こうと思いつつ手がつかなかった、難易度の高い夜景の油絵。結果のいかんにかかわらず、チャレンジしてくれることでも十分だと内心では思うが、大いに期待していると言い、プレッシャーになっただろうかと後になって少し後悔する。

「年内に新作2点は仕上げる、アートスクールの日程が終わっても、熊谷先生のところに個人的に伺ってでも完成させる」と言ってくれた。いつの間にか、焚き付けられているのは、むしろ、わたし。妙に嬉しい。

 

2013年1月

1月20日。絵の撮影にはプロの技術が必要ということで、結局プロにお願いした。撮影の模様を一心に見つめる親子(Emiと吉田ママ)。夜は一足早くお祝いの気分で、吉田家に泊めてもらう。川の字に一本足すと、何の字なんだろう?ともかく、並んで、よく眠った。

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東京、カナダ、イギリス。原稿校正チーム発足。することは多く、助けてくれる手も多く。人の力ってすごいとふと立ち止まって思う。遠慮ない指摘や、忌憚ない意見も、本心から、有難い。もし時々むっとしてたら、ごめん。それはあなたではなく、私の未熟さがいけないだけです: – )

 

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2013年2月

最後は3人のコアチームで2週間校正ウィーク。Komo’s英語音読会@陸前高田の常連講師で、吉田姉妹の事もよく知っているYSさん、YZさん。同時に、プロとして、また一消費者として遠慮なく意見を出し合い、ようやく、一息。カナダとイギリスからも英語の校正、本当にありがとう!

最後に一人で最初から繰り返して読み、一晩寝かせてまた読み、間違いがないことを確認。さあ、行ってらっしゃい!

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校正第二稿をお楽しみに!

<<Part 2に続く>>

 

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