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2013年3月

2013年3月16日(土)~17日(日)にかけて、「Komo’s英語音読会@陸前高田」の3月の会を開催いたしました。

今回のボランティア講師は、私(古森)を含めて7名。いつものように、金曜日の早朝から移動しました。そのうち2名とは、気仙沼で合流。いつも往路のランチは気仙沼でとるのですが、今回は特別でした。

復興商店街(南町紫市場)の喫茶マンボの名物はラーメンですが、この時期、2か月ほど限定で毛蟹チャーハンが出ます。昨年のこの時期に食べてから一年ぶりでしたが、やはり大変美味しかったです。美味しすぎるので、ラーメンとチャーハンの両方を食べてしまいました。

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食後、気仙沼女子高等学校&東陵高等学校の理事長をしておられる、畠山理事長さんを訪問しました。気仙沼女子は、気仙沼の象徴的景色の一部になっている、あのカマボコ型の建物がある学校です。東陵は、スポーツが盛ん。

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震災の少し前にお爺様、お父様を相次いで亡くされ、背中を押されるように理事長になった畠山さん。もともと人口減で経営が難しい局面で、さらに震災に襲われました。気仙沼女子のほうは、2013年度いっぱいで学校を閉じるそうです・・・。

東陵のほうも、おそらく人口減というマクロの難しさは変わらないでしょう。たまたま知人の紹介があり、「何か私にできることはないか」と思ってお会いしました。

東陵は、震災直後こそ控えたものの、海外派遣のプログラムもあり、かなり国際化を意識した運営をしてきた学校です。その特色を生かして、何か「英語」という角度で、お役に立てることがあるのでは?と思いました。

しかも、スポーツに力を入れておられるので、「英語は体育的に音読でやったほうが良い」という私のポリシーに通じるものがあるような気がします。何らかの形で「英語関係」の角度からお手伝いすることをお約束して、気仙沼を後にしました。(写真、こちらから見て私の右側が畠山さんです)。

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さて、陸前高田。

鈴木旅館に入り、6時半頃にOさんの仮設住宅へ。Oさんは、ボランティアを始め数多くの人々に「陸前高田の母」として慕われている人です。この音読会も、Oさんとの出会いが起点の一つになっています。

Oさん宅では、いつも皆で鍋をすることが多いのですが、今回も鍋になりました。畑でとれた野菜や地元の海産物をいただきます。今回の目玉は、海藻。「布海苔(ふのり)」と、非常にレアな「マツモ」に巡り合いました。

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写真、左側が「マツモ」、右側が「布海苔」です。新鮮なマツモは、この時期にのみ、本当に限定でしか手に入らないとのこと。お湯に入れると瞬時に濃い緑になり、メカブのような香りと粘りがあります。布海苔は、ほんのりした甘味が素晴らしいです。

もともと生産量がそれほど多くない上に、まだ海が津波からの回復過程ということもあって、地元の空間でしかこの品質のものは手に入らないと思います。こちらに通うようになって知りましたが、三陸の海というのは、ほんとうにすごいです。

私と2名のメンバーは、途中、別の仮設住宅のほうに訪問しました。その間、残るメンバーはOさんのお話を伺いました。震災とその後のことを地元の一人称の目線で直接伺う機会は、貴重です。かつ、それが大事だと思います。

私たち3名は、21時半頃にOさんの仮設に帰って来て、食事の続き・・・。その頃、「はまらっせん農園」の高橋医師も合流して、遅くまで色々とお話しをしました。ここで縁のある人、皆それぞれに、復興のことと個人の将来のことがクロスオーバーしています。話は尽きません。

~土曜日~

土曜日は、早朝に起きて矢作の「天照御祖神社」に参拝しました。定宿である鈴木旅館のすぐ近くです。矢作小学校がある、同じ丘の上にあります。手水舎のところから、ちょうど日昇を見ました。

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7時に鈴木旅館の玄関に集合、皆でOさんの仮設住宅に行き、一緒に朝ご飯を食べました。お味噌汁に、フキノトウが入っていました。ああ、「とうとう春が来たんだな」と実感。。。その後、お昼ごはん作成隊と開店準備隊に分かれて行動し、8時半に音読会開店!

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いつものように、朝一番に「佐藤たね屋」こと佐藤貞一さんが来られました。佐藤さんは、2011年12月に説明会に来られてから、これまで毎月の音読会を「皆勤」です。今回は、バルセロナから時々東北に来られるレナータさんがお相手。

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佐藤さんの英文津波体験手記「The Seed of Hope in the Heart」は、もうすぐ改訂第3版が刷り上がります。3.11の2周年で原稿はできているのですが、細部の調整で、少し時間がかかりました。ちなみにレナータさんは、その第1版をスペイン語に訳してバルセロナで展開された方々のお一人です。

その後、だんだん忙しくなりました。

この子は、小学校高学年で、「海外に手紙を書いてみたい」ということで、日本語のメッセージと英語版を講師と一緒に作成しました。近いうちに、実際に海外に送ることになっています。エアメールの書き方などもお教えします。夢が広がりますね!

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午前中、講師陣はフル稼働状態になりました。基本のスタイルは個人別ですので、あまり大人数のお相手をすることができません。その分、個人別に教材も独自のものをお持ちいただいて、色々と他愛のない雑談もしながら応対させていただいています。

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なんたって、「話そう」(Let’s Talk)という名を冠した、はなそう基金の活動ですから!

お昼は、同じ敷地の中にある、Oさんが建てた通称「ママハウス」と呼ばれるプレハブの小屋でランチ。これまで4畳間くらいの小さなプレハブでしたが、この3.11を機にOさんが大き目のプレハブを購入されました。「地域の方々がふらっと集まれる場にしたい」とのことで、読売新聞の記事にもなりました。

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もともと、この場所にOさんのご自宅があったのです。そこで、亡くなった息子さんの遺志をついで、福祉視点で地域の核となる拠点を作ろうとされていて、看板を掲げるちょうどその頃に津波ですべて流されたのです。このプレハブ小屋には、そういう深い文脈があります。

午後も、忙しくなりました。

一年前後続けておられる方々には、個人差はありますが、たしかな変化が感じられるようになってきました。明らかに、音読の流れの良さが違います。花火のような一過性の努力ではなく、やかんの湯沸しのように、弱火でも続けて熱することで「いずれ沸く」という感覚が大事です。

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この方は、音読会に通い始めて一年を越えました。現在の教材は、ディズニーが出している薄手の絵本シリーズから。お孫さんに英語の絵本で読み聞かせをされたいのだそうです。

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ご自身で事前にパソコンで原文を打ち込んで、それをプリントアウトしたものに手書きで訳を入れ、私のほうに送って来られます。私の方で、それを添削して、返送します。そのようにして、月に一回の音読会の間の時期を工夫して過ごしておられます。素晴らしいですね!

18時頃に、土曜日のセッションは閉店しました。夜は、Oさんの仮設住宅に戻り、皆で食事をいただきました。被災地復興のどうしようもない現実のこと、音読会の振り返りと今後の方向性、三陸の海の幸山の幸のこと、気仙椿の商材のこと・・・。色々と、皆で話しました。

~日曜日~

この日も私は早朝に起きて、今度は車で徘徊(?)しました。矢作から気仙川方面に走り、廻立橋(まったてばし)の手前を右に降りて、矢作~気仙~長部と走っていくルートです。ヘアーサロンのZENのあたりで気仙川の川べりにおりて、朝日が昇る前の川面を眺めました。

静かな川面に小舟がひとつ・・・。穏やかな、美しい風景です。振り返って折れた大木を見たりしなければ、ここを大津波が遡上して何もかも飲み込んだということなど、想像もつきません。

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そして、橋脚のみ残った姉歯橋のあたりで、日昇を迎えました。二日連続で美しい日の出を見ることができました。始めて陸前高田に来た時はカーナビで動いていたので、ナビに従ってこの橋のところまで来て愕然としました。「地図にあるものが、ない」という衝撃が、このあたりにはたくさんあります。

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その後、長部方面まで45号線を走り、月山神社へ。復興対談シリーズ~Talk for Recovery~の第2回で荒木タキ子さん(宮司夫人)にお会いしてから、この神社に時々参拝するようになりました。静かな境内。急斜面をかけて行く、ニホンカモシカを見ました。

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日昇を追いかけていたら、ご神木である大杉の脇で出会えました!

さて、皆でOさんの仮設住宅に行き、朝食をとってから、この日も8時半に音読会を開店。朝一番はスローでしたが、9時半ころから忙しくなってきました。小中学生、皆それぞれに性格も志向性も違いますが、元気です。連日音読会に来た頑張り屋さんもいます!

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音読会は月に一回しかなく、また、ボランティア講師は「英語を使って暮らしたり仕事したりしている現実的な英語ユーザー」であって、いわゆる英語教育の専門家ではありません。ですので、出来るだけ明るく、「また来月も来てみるかな」と感じていただけることを大事にしています。

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少しずつでも続いていけば、必ず力が増して行きますし、勉強は最終的には自学自習が鍵です。英語実践者の視点で、現実的な自学自習の方法を知っていただいて、一ヶ月に一回お会いする中でリズムを作っていただくのが音読会の本旨です。

そういうモードで学校の授業や本格的な学習塾のプログラムに向き合っていただけたらなら、きっと実になる自学自習をしていただけるでしょう。一朝一夕にはいきませんが、そんなことを方向感覚として維持しながら、この活動を続けています。

3.11を機に、「詩と絵で綴る陸前高田~大震災を乗り越えて~」を出版した吉田恵美・由美の姉妹のお二人(写真、左側)。毎月自作の詩や短歌を書いていただき、それを「はなそう基金」の活動会員さんたちが翻訳して、独自の音読教材にしてこられました。

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絵の才能もあるお二人。震災前に描いて一度は流失した絵が奇跡的に戻ってきたのも契機となって、詩や短歌にあわせて新しい絵も描き加え、日英併記の本が出来ました。気仙の地から、また一つ、世界に向けて情報発信が実現!

この出版のプロセス全般を、「はなそう基金」で応援させて頂きました。ボランティア講師で、この3月より「はなそう基金」の理事にも就任した奥田さんがプロジェクトマネジャーを務め、数多くの会員さんたちが力を合わせて出版に取り組んできました。

これからも、出版に限らず色々な角度から、東北被災地から世界へ向けた情報発信をお手伝いしていきます。それも、「話そう」(Let’s Talk)という言葉に込めた思いの一つなのです。発信すれば縁が生まれ、縁が重なれば復興にもプラスになります。

12時前に、3月の音読会を終了・・・。写真は、今回のボランティア講師一同です。会場としてお借りしている「とうごう薬局」「あらや訪問リハビリステーション」の事務室前で記念撮影をしました。赤い看板は、音読会の看板です!

「お役に立てているだろうか?」「興味を持ってもらえただろうか?」「分かってもらえただろうか?」と、いつも内省しながらの活動ですが、皆ここに来るメンバーは気仙の土地と人々が大好きです!その思いを胸に、最低10年、毎月音読会を開催し続けます!

20130317 team

 (End)

 

 

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