ブログ

2013年5月

2013年5月18日(土)~19日(日)の週末に、5月分の「Komo’s英語音読会@陸前高田」を開催しました。

【移動日】

ボランティア講師チームの移動は、いつものように前日の金曜日からです。朝6時過ぎに新宿に集合、そこから東北道で一ノ関へ。一ノ関手前で最後のPAになる金成PAでは、まだ八重桜が咲いていました。青空に桜のピンクがはえて、とてもきれいでした。

20130517 01sakura

 

一ノ関から気仙沼に向かう国道284号線、通称「復興ロード」。震災直後から、被災地へ向かう車両の動脈となった道路です。ふと眺めた街道沿いの菜の花畑に心を奪われ、しばし車を停めて皆で観賞しました。

5月はまだ、「北国の春」です。

20130517 02nanohana

 

気仙沼では、気仙沼復興商店街(南町紫市場)で昼食。これも定番の「喫茶マンボ」のラーメンやキムチチャーハンなどをいただき、そのあと「揚げたてコロッケ屋」さんによってお店のお姉さま方と談笑。

コロッケ屋さんで茂木さんと合流。茂木さんは、「一般社団法人まちのほこり」代表で、「Komo’s英語音読会@陸前高田」のボランティア講師でもあります。茂木さんの案内で、唐桑町の鮪立(しびたち)へ。唐桑半島の中にある、小さくも歴史ある漁港です。

一歩一歩、震災から復興の歩みを進めている盛屋水産さんにご挨拶。ホタテ、カキなどの養殖を主とした地場漁業の現場の「今」を感じることができました。

20130517 05moriya

 

当社の奥様、菅野一代さんが代表を務める民宿「唐桑御殿つなかん」。震災前のご自宅だった家屋ですが、津波で3階まで浸水したそうです。それでも人々の期待の声にこたえる形で修復し、昨冬、新たに民宿として再スタートしたとのこと。

20130517 04tunakan

 

さすがに、もと唐桑御殿(注:かつて鮪の遠洋漁業で栄えたこの地域は、漁師さんたちが競って威勢の良い家を建築。それを総称して唐桑御殿と呼ぶようです)だけあって、中はとても広く部屋数も多いです。宿泊型の研修会場などにも使えそう。

この桐箪笥は、菅野一代さんの嫁入り道具。津波で流されてしまいましたが、箪笥は無事で、中の着物も大丈夫だったそうです。桐箪笥、すごいですね。「つなかん」に込める菅野さんの熱い思いをしばし伺いました。

20130517 07kanno-san

 

唐桑訪問を終え、チームは陸前高田へ。大石沖の「佐藤たね屋」さんに佐藤貞一さんを訪ねました。震災で店も自宅も流され、そこから汗と涙の猛烈な努力で、手作りで店を再興した佐藤さん。音読会の初期からの参加者でもあります。

20130517 10sato-san

はなそう基金でお手伝いしている、佐藤さんの英文震災手記「The Seed of Hope in the Heart」の改訂第3版も、順調に読者を広げているとのこと。今は夏野菜の苗もののシーズンで、お店も繁盛しているようでした。自分で動き始めて、復興の歩みを確かなものにしておられます。

夕方、常宿にしている矢作の「鈴木旅館」にチェックイン。夜は、いくつか個別対応の英語セッションを行い、その後Oさんの仮設住宅で皆で会食しました。Oさんは、多くのボランティアから「陸前高田の母」として慕われている人で、音読会の現地サイドでの世話役もして下さっています。

Oさんの畑でとれた野菜で、鍋料理。無農薬有機の新鮮な野菜が山盛り!まるで野菜のブーケのようでした。

20130517 11dinner

【土曜日】

土曜日は、終日音読会。しかし、私たちは出来るだけ早朝の時間を活用して、気仙地域観光をするようにしています。震災2周年くらいまでは、被災状況を記憶にとどめる趣旨であちこちに行くことが多かったですね。しかし、2周年を過ぎてからは、むしろ真正面から「気仙地域の良さ」を発見する早朝の小旅行になってきています。

この日は、まず「伝承館」の展望台へ。鹿やキジに歓迎されながら山道を車で走り、朝日に照らされた展望台に上りました。いつもながら、素晴らしい眺めです。初めてここに来た講師メンバーも、感動していました。

その後、もう少しだけ時間があったので、アップルロードに戻り、小友の海岸沿いの道に向かいました。大きな堤防が無残に破壊されたままになっていますが、海の水は飲みたくなるくらい透明で、生き物もたくさん見かけました。

20130518 Hirota sea

人間の作ったものは壊れ、自然はおかまいなしにどんどん生態系を回復させているようでした。震災を機に、人間と自然との関係をよくよく考えなおす必要があると思います。自然と対峙するのではなく、共生することを考えなければなりません。

さて、Oさんの仮設住宅で皆で朝食をご一緒させていただいた後、8時半から音読会を開店しました。いつものように、朝一番に佐藤貞一さんが来られ、「The Seed of Hope in the Heart」の第3版を1時間みっちり音読。最初の部分などは、もうご本人は何百回も音読しておられるようで、完全に暗唱することができる状態です。すごいです。

その後ポツポツと参加者が増え始め、10時頃にはキャパシティ一杯になりました。

20130518 class morning1

この子は、小学校高学年。音読会発足時からの参加者のお一人ですが、少し前に「英語で海外に手紙を書いてみたい」と思い付き、それを早速実践。音読会講師と一緒に日本文を書いて、それを講師が英訳サポートして、その英文を本人が直筆で手紙に書いて、スペインはバルセロナに送付。

昔懐かしい、エアメールですよ!

20130518 class Y-chan3

バルセロナでは、日本文化を伝える”Bonsaikebana”というスクールを主催されている石松玲子さんにお願いして、手紙の受け手を探していただきました。石松さんは、はなそう基金バルセロナ支部の中心的存在でもあります。Bonsaikebanaの参加者数名が、お手紙を返信してくれました。今回、その返信されてきた英文のお手紙を教材にして、講師と一緒に辞書をひいて意味を解読・・・。なんとか、2通の意味を確認しました。

返信を日本語で書いて、それを講師が英訳して、それをまた清書して・・・というプロセスになるので時間はかかりますが、とても素晴らしいことだと思います。「本当に海外の誰かとつながっている」という感覚、いいですね!

こちらは、小学生の姉妹。まずは楽しく英語に親しみ、出会った単語を声に出して覚えるところから・・・。「声に出す」ところが、すごく大事だと思います。終わりに、ちょっとだけ、その日に覚えた(はずの)単語をチェックしたりして、ドキドキ。

20130518 class newly joined kids

12時~13時半のお昼休み時間には、某新聞社さんの取材を受けました。午後は、13時半~18時まで開店。14時頃からキャパシティがいっぱいになりました。皆さん熱心なので、講師も出来うる限りの真摯な対応を心がけています。

20130518 class afternoon1

新高校一年生!さて、そろそろ英語の勉強も本格化フェーズですね!進学するにしても就職するにしても、これからは本当に、どんな分野でも英語能力の有無は色々な違いを生みますよ。頑張ってくださいね!

20130518 class afternoon2

今回は、16時半頃から音読会と並行して「懇親バーベキュー」でした。昨年は3回開催しましたが、今年も良いシーズンになってきましたので、まずはこれが初回です。音読会参加者と周辺住民の皆さんで集まって、にぎやかな懇親会になりました。

まずは、ご挨拶・・・。はなそう基金だけでなく、今回は埼玉方面からお肉を大量に持って駆け付けて下さったカヤックチームのお二人、そして南三陸で復興事業を展開中のKさんのチームも協働して下さいました。

20130518 BBQ opening

定番の、踊り。いつも、「寄さ来い見さ来い陸前高田」「チャオチャオ」「陸前高田音頭」の3曲がテーマです。昨年6月に初めて踊った(踊らされた)ときは戸惑いましたが、今回はなんとか及第点をいただけました!(かな?)

20130518 BBQ dance

日が暮れるにつれて、歌も飛び出し、まずますにぎやかに。通りがかりのおじさんが、気づいたらマイクを持って歌っていたり・・・。ちなみに美声でいらっしゃいました!会場は笑いの渦。

20130518 BBQ ossan

真打登場!会場は熱気に包まれました。

20130518 BBQ nesshou

にぎやかな会は、21時をまわっても続きました。津波で何もかもなくなったこの土地の上で、どんどん広がる人の輪・・・。気仙地域内外での人の輪の広がりこそが、復興の原動力になると思います。

20130518 BBQ scene

そして、会のおわりに、小学生と中学生の女の子二人が歌いました。

歌は、「Believe」。ギターはYさん。

20130518 BBQ believe

 

♪たとえば君が 傷ついて くじけそうに なった時は

かならずぼくが そばにいて ささえてあげるよ その肩を

世界中の 希望のせて この地球は まわってる

いま未来の 扉を開けるとき 悲しみや 苦しみが 

いつの日か 喜びに変わるだろう 

アイ ビリーブ イン フューチャー 信じてる

二人の澄み切った声が夜空に響きわたりました。いや、響いたというより、しみわたったという表現のほうが正しいかもしれません。気が付いたら、私は不覚にも泣いていました。2,000人以上が一瞬にして亡くなったこの町で、この子たちが今日も生きていて、歌っているということ。もうそれだけで、いいじゃないか。それだけで、素晴らしいことだ。そう思いました。大人世代が何のために復興に取り組むべきか、再確信した瞬間でした。

【日曜日】

さて、長く深い土曜日を越えて、日曜日は講師チーム一同再び早起き!この日は、ちょっと時間的にリスクはあるものの、大船渡の碁石海岸を目指しました。今回の講師メンバーは、これまで碁石海岸に行ったことのない人ばかりだったので、「あの海を見せたい!」と思ったのです。

時間的に碁石海岸の全容を紹介することはできなかったので、乱瀑谷(らんぼうや)のほうに行きました。真下に見える、巨大な岩と深い深い海。三陸の、リアスの海の色です。海鳥がたくさん舞っていました。

20130519 goishi view

昇った朝日が三陸の海を照らします。命あふれる豊饒の海。時に荒れ狂い、人間から多くのものを奪う海。それでも人間は、やはり海とともに生きるのです。太古の昔、私たちはみな海から来たのですから・・・。生命の故郷から、離れることはできません。

20130519 goishi ocean

なんとか大きな遅れなく陸前高田に戻り、Oさんの仮設住宅で朝食をご一緒させていただき、8時半から音読会を開店。さっそく8時半からお一人来られて、すぐにもう一人・・・。やがて、キャパシティ一杯になりました。

20130519 class

「はまらっせん農園」で地域に根差した生きがい創出・健康増進プログラムを開発・推進しておられる、高田病院の髙橋ドクターも参加されました。

12時少し前に、音読会終了!今回は、講師一人当たりの稼働数がかなり多い状態になりましたが、講師一人ひとり、出来ることを真摯にやらせていただいたつもりです。みんな、ここに来るのが大好きです。

20130519 team

「またね~!」と手を振って、花咲き誇る陸前高田を後にしました。

20130529 tulip

(End)

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る