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11.242014
はなそうツアー 2014年11月22-23日

被災地に関心を持ってくれる方々をご案内し、地元の方々と話すツアーを継続しております。 間もなく積雪期となるため、2014年のツアーはこれが最後となります。つぎはまた春にお待ちしております。
ツアーの目的
あの日から3年9か月が経過し、復興が本格化し始めた三陸地方に興味を持ち、心を寄せてくださる人たちをご案内しております。
ツアーの内容
土曜日9時過ぎに一ノ関駅に集合。 「想像したより寒くない」、「寒い」と人それぞれの感想を持った新幹線を降りた際の第一声です。
気仙沼市
参加者に被災後、三陸地方初の方がいらしたので、気仙沼経由にルート変更。 まずは、腹ごしらえと「あさひ寿司」さんへ。 舌鼓を打つ前に、皆さん、記録。味は記憶へ。
タコには「真だこ」と「水だこ」の2種類があることを教わり、今日のお寿司のネタは「水だこ」とのこと。 その後、海岸線を通りながら気仙地方(陸前高田市)へ。
陸前高田市
朝の寒さも一転、暖かな日差しの下、「奇跡の一本松」を根下から見上げました。
7万本の松で形成されていた高田松原。 白い砂浜と緑の松のコントラストで美しかった海岸線が想像できない今の姿。 「以前はどうだったの?」「この橋は新たに作られたもの?」 「この建物は何に?」「あの水門はどうして無事なの?」と次々と質問が繰り出されました。
「希望の架け橋」
津波の被害を受けた陸前高田市中心部を嵩上するための土を運ぶベルトコンベア。 最初のコンベアが稼働する際に、地元の中学生が名づけました。 トラックで土を運んだ場合、10年近くかかるものを2~3年で作業を終えるとのこと。 高台移転のために削っている山の土砂をこちらに運ぶ技術にただただ驚くばかり。
一本松に行くときには動いていなかったベルトコンベアが再稼働。 落ちてくる土をよけながらレンタカーへ戻りました。
大船渡市
陸前高田市で気仙地区唯一の酒造メーカー「酔仙酒造」さんの新工場を見学させていただきました。 以前は陸前高田市で酒造りをしてたが津波で全壊。お酒の味を決める“水”を求めて、大船渡市の今の場所での操業再開とのこと。 スタッフの方の説明に熱心に耳を傾ける参加者。 日本酒の味を決めるのは、水、米、さらには酵母。工場に住み着く酵母ができるとさらに安定した味のお酒ができるとの説明。 そのためには、あと何年かかるのかは判りません。でも、その酵母が住み着くまではこの場での酒造りを続けますと力強いお言葉。
以前は焼酎の製造も行っていたとのこと。現在の主な製品はこれ!
二日目
目覚めた時には降っていた雨も上がりまぶしいほどの日差しに。
「津波伝承館」
館長が高台から撮影した当日の映像の他、地震発生の5分前に撮影された写真などを編集し、津波の恐ろしさを見ている我々が追体験。
地震の後には津波が来る。すぐに高いところへ!
津波の速度は、人類の100m最速記録とほぼ同じです。でも、 5~6kmも走り続けることは不可能でしょ?と訪問者に質問を交えながらの説明。
だから、海岸線から遠くへ逃げるのではなく、高い所へすぐに逃げなければならないんです。と
実体験をもとに語る館長のお話は、我々だけでなく一緒にお話を聞いた中学生、その親御さんの心にも響きました。
館長の思いはたった一言に現されます。
『あなたに助かってほしいから』
「さんまラーメン」
北海道に次ぎ、本州一の漁獲高をほこる大船渡市のさんま。 その“さんま”をテーマに、各お店で工夫を凝らしながらも 全店 同一価格(現在700円)のさんまラーメン。
今回は「碁石海岸レストハウス」 にて。味醂干しをほぐしながら、食べていく間に秋刀魚の出汁が効いてくるラーメンです。
「熊野神社」
あの時、私の両親や近所の人が避難した熊野神社。 樹齢1400年とも言われるヤブツバキが植えられ岩手県の天然記念物に指定されています。 東・西・南の三面に植えられたことから「三面椿」と呼ばれていましたが、平成14年の台風21号の強風により東面を残し、倒木してしまいました。 この椿の香りに心を穏やかにし、眠りに入りやすくする効果があるとかで、ある化粧品メーカーが、その香りを調合し、ネット販売しております。 うっかり写真を取り忘れました。
これは2011年夏に津波到達点(海抜およそ14m)、神社の鳥居から数メートル降りた位置から撮影したものです。
この地域は現在も住宅再構築が許されていません。そのため、39世帯からなる地区自治体は解散し、皆さんバラバラに居を構えることになりました。
一部、加工場や岸壁の整備は進んでおりますが、今の風景とこの写真の風景はほとんど変わっていません。
この日、ここで偶然出会った高校時代の友人から写真を頂戴しました。
上の写真と見比べていただけるとほとんど変化がないことがわかると思います。
この後、一ノ関駅への帰路に。
20時ごろには東京駅に新幹線が到着し、今回の弾丸ツアーは終了となりました。
今回、ご参加いただいた皆さんを初めてご案内しました。
拙い企画と説明に熱心に耳を傾けてくださりご参加くださった方々、本当にありがとうございます。
今後も本企画は継続します。 ご友人などもお誘いいただけき、次回のツアーにご参加いただければと思います。
(Atsushi.K)